かわちのタイムスNo.11(20141001) ← クリックすると画像が見られます。

【1面】

  会社のルールブックやからね!

    業 規 

          「会社を守り」「会社を伸ばす」ために求められます。

最近、就業規則の作成・改定・見直しの業務をお受けする機会が増えました。

作成理由は様々です。

①助成金受給のため(介護事業の健康診断制度創設など)②労使トラブルの予防 ③小規模保育施設の応募に必要 ④行政の指導への対策等々。

就業規則の作成・届出が義務付けられている会社は、従業員数が10名以上(パート、アルバイト、派遣中の社員も含む)の事業所です。ただし、従業員が10名未満でも、必要になる場合が多いのです。

◆ポケット版就業規則を作成

就業規則は、分厚い立派なものでなければならないのでしょうか?

当事務所では、「最低限、必要記載事項が書かれていればいいので、短いものでも十分」と考えています。なぜなら、労働基準法の労働条件の最低条件に達しない就業規則は無効であり、その達しない部分は労働基準法に置き換えられるからです。

つまり、労働基準法に書かれていることをすべて就業規則に書く必要はないし、労働基準法を下回ることを定めてもダメなのです。もっとも、難解な労働基準法の条文をわかりやすく従業員に伝えるために、全面的に記載するのであれば、意味のあることかもしれませんが。

当事務所では、お客様のご要望にお応えして、ポケットサイズの就業規則集を作成し、車両管理規程や出張旅費規程も合わせて収載しました。(B6版、約60ページ)

今後は、業種別・規模別にポイントを押さえ、お客様のニーズに合わせた就業規則を提案していきたいと考えています。

 

  これなら使える 雇用保険助成金 ④

  建設労働者確保育成助成金 【技能実習コース】

 

受給できる事業主

雇用保険料率1000分の16.5の中小建設事業主

助成の対象となる技能実習

登録実習機関に委託して行う、①建設工事の作業に関連する実習 ②特別教育(労働安全衛生法)③安全衛生教育など

●移動式クレーン ●クレーン ●玉掛け ●高所作業車 ●車両系建設機械

●不整地運搬車 ●ローラー ●巻上げ機など

助成額          支給申請書の作成・提出は社労士が代行します。

《経費助成》  受講料の80%

《賃金助成》  平均賃金日額(上限8,000円)× 受講日数(1日3時間以上受講)

※ 土・日に受講した場合は、振り替え休日を与えるか割増賃金を与えることが条件です。

      

 

【2面】

  このままでは大変! 解散? 脱退?

  厚生年金基金見直し

 

「AIJ」問題の発覚から2年、厚生年金基金見直し法が昨年成立し、今年4月1日から施行されました。

厚生年金基金は、国が支給する老齢厚生年金の一部を代行し、企業や業界独自の年金給付を上乗せする制度で、約10万社が加入しています。

♪厚生年金(企業年金)のようで、厚生年金(企業年金)でない…ベンベン ♪それは何かと尋ねたら、「基金」「寄金」「ききん」…

財務状況の悪化により、大手をはじめ多くの企業の基金からの脱退、基金自体の解散が続出しました。

今回の法改正の特徴は、老齢厚生年金の代行部分に充てる資産が不足している「代行割れ」基金に対し、解散を促している点にあります。そのために、基金を解散するときの積立不足金の一括納付についての「特例解散制度」(※)を大幅に使いやすくしました。

  ※ 積立不足金の分割納付を認めたり、不足金額を安く計算したりすることを認める制度

基金の財政状況は、存続基準に達していないところが9割に上ると見られています。法施行から5年間の猶予期間に解散などの手を打たず、5年後に存続基準に達しない基金は、解散命令を受けることになり、その時には、「特例解散制度」も使えません。

加入事業所は基金の財政状況を確認し、「代行割れ(予備軍)」基金である場合は、どのような行動をとるべきか、早急に検討することが大切です。

 

   だから映画はおもしろい vol.9

   『 NO(ノー) 』 (2012年、チリ・アメリカ・メキシコ)

 

●1972年、南米チリのアジェンダ政権がピノチェト将軍の軍事クーデターによって転覆されました。昔の「うたごえ喫茶」で歌われた「ベン・セレーモス(我々は勝利する)」はアジェンダ率いる人民連合のテーマソングです。

●長く続いたピノチェト軍政が「民政」に移管する転機となったのが、1988年の国民投票でした。独裁政権の信任を問う国民投票を前に、軍政はテレビで「YES」「NO」両派に深夜11時からの15分間、27日間のキャンペーン番組の放映を許しました。

反軍政「NO」陣営は、国民投票に勝ち目はあるのかなどの様々な議論を重ね、フリーの広告マン、レネに番組作成を依頼します。レネはプロの広告マンとしての経験と感性を生かして、軽妙な歌詞やメロディーで「チリの明るい未来」を描こうとします。レネの番組は、当初は独裁政権の迫害とたたかってきた陣営のメンバーからも拒絶されますが、次第に人々の心をつかんでいき、多くの映画人、ミュージシャンも参加して魅力ある番組が作られます。

●この映画のキャッチ・コピーは「CMは世界を変えられるか?」です。国民投票の結果は、「NO」陣営の大勝利で、ピノチェトの再選は否決されました。

国民への弾圧制度は終わりましたが、民政移管後のすべての政治・経済・社会制度は独裁勢力によって導入されたもので、25年たった今も独裁時代を引きずる体制となっています。映画のラストは、それを暗示するような画面がつづきます。

チリでCMの果たした役割は大きなものでしたが、世界を変えるのは「人民の力」です。

  

   編集後記

▼小学校4年生のときに読んだ「赤毛のアン」。日本語版が世に出て16年後のことでした。訳者が戦火をくぐって命がけで翻訳されたことを知り、感激しました。▼「百年ぶり」のフレーズを何日聞いたことか。「ゲルのモンスター」の大活躍に、「スーホの白い馬」の絵本を思い出しました。