かわちのタイムスNo.45(20200601) ← クリックすると画像が見られます。

【1面】

世論が政府を動かした  雇用調整助成金支給額アップ

コロナ自粛に補償を  (2)

5月27日に閣議決定された第2次補正予算案により、雇用調整助成金の上限額が一日15,000円に引き上げられることになりました。すでに小学校休業等対応助成金については、同じ内容が発表されています。
コロナ特例による雇用調整助成金の拡充は、支給率の引き上げ・手続きの簡素化など度々の変更を経て、ようやく支給限度額の引き上げにたどり着きました。コロナ自粛に対する補償を小出しにする政府を国民の世論が動かしたもので、「検察庁法改正案」をひっこめたのと同じ図式です。
◆スムーズに行かない申請
今回のコロナ特例の申請は助成金を本業とする社労士としても苦労しています。
助成金センターは電話がまったくつながらず、情報がつかみにくい。様式がコロコロ変わり、しかも発表が遅い。労働保険未加入や労働保険料納付額が少ない事業所からの相談・依頼もあります。それらの経験を下記の「Q&A」にまとめました。
◆決して諦めることの無い様に
そんな中でも、多くの顧問先・関与先からの依頼に加え「ホームページの雇用調整助成金フローチャートを見ました」「税理士さんから聞きました」など新規の問い合わせ・相談も増えています。
今こそ「かわちの社労士」のモットーである「何でもやれます」を発揮したいと考えています。

雇用調整助成金 ココが知りたい 実践的Q&A  

Q1.ようやく支給額が上がるのですね。
A1.上限額が8,330円から15,000円へ。これから申請する事業所だけでなく、すでに申請済み(支給済み)の事業所にも遡って適用されると考えてよいでしょう。

Q2.いつまで特例がつづくのでしょうか?
A2.期間が延長されそうなので、当分は使えるでしょう。まだコロナの収束のめどもたっていないので。

Q3.今からでも間に合うのですね。
A3.むしろ今から申請が増えるでしょう。要件が合えば、1・2月の休業分から申請できますよ。

Q4.申請が簡単になった小規模事業主とは?
A4.「従業員がおおむね20人以下の会社や個人事業主」なので、例えば正社員20人とパート○○人でもよいでしょう。「うちは小規模だ」という会社は簡単な申請の利用を。

Q5.労務管理がサッパリできていません。
A5.まず労災保険に入る。給与台帳・出勤簿・労働者名簿をつくるなど、できることをすることで助成金を受ける道が開けます。

Q6.社労士が依頼を受けてくれないとか。
A6.「かわちの社労士」がお引き受けします。お気軽にご相談ください。

ご依頼に感謝します
当事務所は2013年開業以来のお客様が150件に達しました。

2018年5月 100件到達
        ↓      ↓
2020年5月 150件到達

 

【2面】

コロナ禍でどうなる?
労働保険料(年度更新)社会保険料(算定基礎届)

【労働保険】

年度更新申告納付の締切が7月10日から8月31日まで延長されました。昨年分の確定保険料にはコロナの影響はないとしても、同じ賃金額の見込みで計算される今年の概算保険料は「納めすぎ」になることが予想されます。

【社会保険料】

算定基礎届の締切は7月10日で変わりません。

4~6月に休業し、休業手当を支払った場合でも、算定基礎届に基づいて保険料が決められます(定時決定)。

休業が3ヵ月を超えると、随時改定の手続きを行います。

例えば4・5・6月に休業があって、休業手当が以前の給与より低く、7月になっても休業が続く場合は保険料が下がることがあります。

また、休業がなくても4・5・6月に残業が少ない場合などは、いつもより低い保険料になる可能性があります。

【支払いが困難なときは】

税金や保険料、公共料金には納税・支払い猶予の制度があり、財産の差し押さえも猶予されます。

社会保険料の新型コロナ特例が使えると、1年間の納付猶予が無担保・延滞金なしで認められます。▽対象は今年2月以降の収入が前年同月に比べて概ね20%以上減少し、納付困難な事業所▽対象保険料は今年2月~来年3月に納期が到来するもの▽申請は年金事務所に出向くか申請書を郵送します。

ご不明な点は「かわちの社労士」にお尋ねください。

だから映画はおもしろい vol.38
彼らは生きていた

(2018年、イギリス=ニュージーランド)

●大阪府の映画館も5月下旬から順次上映再開されています。日頃通っているミニシアター(西九条・十三・梅田)も経営が大変な中、踏ん張っています。応援したい気持ちはあるのですが、今回は自転車で行ける映画館に行きました。座席間隔を空けて1/4程度しか使用出来なくされていますが、そもそも観客が少なくほぼ貸切状態でした。
●本作は1814年から1818年までの第一次世界大戦の記録映像をもとにしたドキュメンタリー映画です。原作はコマ送りの早いモノクロの無音声映画です。退役軍人のインタビューと字幕だけが背景を知る頼りです。
それが上映の途中から、カラーの音のある映像に変わるのだから驚きます。これぞ映画の力です。「この映画は戦争や戦略を描いたのではない。兵士の映画だ」とピーター・ジャクソン監督は語っています。多くのインタビューの中からリアルな言葉を選び出し、彼らが4年間をどうすごしたのかをありのままに描いています。
●開戦時、イギリスでは志願兵は19歳以上とされていました。しかし、15歳から18歳の多くの若者が年齢をごまかして軍隊に志願しています。軍国教育というより世間のムードがそうさせたのでしょう。
そんな彼らもドイツ軍との果てしない塹壕戦という生き地獄の中で、「勝ち負けよりも戦争が一日も早く終わってほしい」「ドイツ人も本当は戦争をしたくないんだ」と考えるようになっていきます。まさに彼らは生きていたのです。

編集後記

▼「働き方改革」という言葉を忘れるほど、コロナで働き方が激変。テレワーク関連の営業がやたらと多い中、コロナ後の働き方をじっくり考えたいものです。
▼ドラマ好きにとっては残念な日々でした。貴重な新作に加えてリモート・ドラマや特別編(再放送)を楽しんでいますが、そろそろ手詰まりになりそうです。