かわちのタイムスNo.32(20180401)    ← クリックすると画像が見られます。

【1面】

労働者派遣事業 介護事業

許認可なら かわちの社労士

◆期限迫る「派遣許可申請」

特定労働者派遣事業の経過措置終了(平成30年9月29日)まであと半年。派遣事業を継続するために必要な許可申請を未だ行っていない特定派遣元は、半数近く残されていると言われています。

講師を務めている派遣元責任者講習を受講された泉州と奈良の派遣会社から許可申請の依頼を受けました。

泉州の会社は、事業主が大阪労働局需給調整部に何度か相談するも、手に負えず。奈良の会社は、法改正に見合った就業規則作成に万全を期すための相談でした。

3年前の法改正で定められた「キャリア形成支援制度」の計画内容、「教育訓練、解雇制限、休業手当」の規定がポイントです。

泉州の方は、大阪労働局に申請から手数料納付まで数回足を運びました。

◆変わる介護予防サービス

介護保険法改正により、要支援1・2の方が利用しているホームヘルプとデイサービスは、全国一律の基準から各市町村の介護予防・日常生活支援総合事業へと移行します。

東大阪市の「通所型つどいサービス」(補助金事業)に4月から参入する事業所の実施計画書を作成しました。ここでも市の担当課に相談しながら進めました。

◆要注意の処遇改善加算届

介護職員処遇改善加算は、2月末までに東大阪市・大阪市・柏原市・藤井寺市の事業所の加算届を提出しました。

新加算制度になって2年目ですが、キャリアパス要件を満たしていない任用基準・賃金規程がそのまま認定されている例も見受けられます。市町村の実地指導に備えて、充分な規程を整備しておくことが大切です。

 

労働トラブル解決

かわちの社労士 にできること

★東大阪市内の卸売業の事業所から、労働トラブルの相談がありました。

☆退職した従業員から、この2年間の「未払残業代」請求の文書が届いたもので、従業員が労働基準監督署に相談して、自分で「未払残業代」を計算して請求してきました。

☆事業主からの依頼で、当方が代理人となり労働者と折衝しました。労働者が話し合いに応じたので、双方が「未払残業代」を計算した数字をもとに交渉を進め、和解契約書を交す形で解決に至りました。

★もし、労働者が交渉に応じない場合は、特定社会保険労務士が行なえる「あっせん」等の手続(※)で解決をめざすことになります。

※ ①社労士会労働紛争解決センターでの手続(紛争価額が120万円を超える事件は弁護士と共同で) ②都道府県労働局が行うあっせんの手続 ③都道府県労働局が行う調停の手続 ④都道府県労働委員会が行うあっせんの手続

★労働トラブルについては、特定社会保険労務士として、労働者からの相談にも応じます。

 

【2面】

「働き方改革」で

どうなる?どうする? 中小企業

【第2回】 「労働時間上限規制」とは?

通常国会は予算こそ3月中に成立しましたが、「森友文書改ざん」問題で大揺れ。案の定、「働き方改革」は法案提出すら未定になっています。

この間、裁量労働制に関するデータ不正、日本年金機構の委託先・中国企業へのデータ流出と、国民をバカにした失政が続き「働き方改革」法案の行方は混沌としています。

「働き方改革」法案の目玉とされる「労働時間の上限規制」は下表のとおりです。

 

<時間外労働の上限> 罰則あり

原則 : 月45時間、年360時間

例外 : 臨時的な特別の事情がある場合は、年720時間

(別枠の休日労働を含めれば960時間)

但し、 ①休日労働を含め、2~6ヵ月平均で80時間以内

②休日労働を含め、単月は100時間未満

③月45時間を超える時間外労働は年6回まで

 

現時点でも、様々な問題点が指摘されます。

 労働時間の規制なのか?それとも規制緩和なのか?

 過労死・過労自殺の防止につながるのか?

 労働基準法の建前(1週40時間・1日8時間労働)が崩されるのではないか?

 建設業・自動車運転業務・勤務医は5年遅れで実施だが、5年で解決できるか?

 人手不足に悩む中小企業も大企業と同じ扱いだが、一律でよいのか?

労働者の健康や仕事と生活のバランスに配慮しつつも、中小企業の理解を得られる「働き方改革」が望まれます。

 

だから映画はおもしろい vol.27

『名 前』 (2018年、日本)

第13回大阪アジアン映画祭クロージング作品

●第13回を迎えた大阪アジアン映画祭。「なにわの春の風物詩」といった感じです。

今回は「オープニング」(3/9)と「クロージング」(3/18)に参加しました。

●クロージング作品として、招待されたのが本作『名前』です。バイプレーヤーの津田寛治と出演決定時は15歳だった駒井蓮のW主演です。

監督はまだ34歳の戸田彬弘。奈良出身で、近畿大学で演劇を学んだそうです。上映前のインタビューで、次回作は大阪を舞台にした長編映画を企画していることが披露されました。期待しましょう。

●茨城の旧家を借りて一人暮らす中年男(津田)は、過去から逃げ出すためか、いくつもの偽名を使っています。そこに突如現れた母子家庭の女子高生(駒井)は、どうやら男を自分の父親と思い込んでいるようです。男にも女の子を死産で亡くした過去があり、付き纏う娘にごく自然に接します。娘は、高校の演劇部に所属しており、日常生活でも「謎の娘」を演じているつもりですが、演劇部の先輩から「本当の自分がない役者の演技は、見る者に伝わらない」と批判されます。

事実が明かされた後も、二人の関係は崩れず、男は「嘘のお父さんとして、おまえを見守っていく」と娘を励まします。初主演?の二人の好演もあって、あたたかな気持ちに包まれる映画です。

●2日間で観賞した4作とも「家族愛」が描かれていたことが印象に残りました。

 

編集後記

▼「いろはかるた」の作成のために、48のキーワードを選んだことで、当事務所の到達点と進路が鮮明に。「何でもやります」のキャッチフレーズから、今後は「何でもやれます」をめざします。

▼大阪市営地下鉄の民営化と同日に、JR三江線廃線のニュースが。ローカル線廃止は「地方共生」どころか「地方切り捨て」そのものです。