かわちのタイムスNo.41(20191001) ← クリックすると画像が見られます。
【1面】
消費税10%に増税 最低賃金引き上げ
どうなる? 中小企業
「景気回復のためにも賃上げを」。それはわかるのですが、そこに消費税増税が重なると話は別です。
◆最賃引き上げは世の流れ
格差と貧困をなくすためには、毎年の最賃引き上げは欠かせません。「同一労働同一賃金」に少しでも近づくためにも必要でしょう。
◆最賃は全国一律が「いいね」
今回、最賃の低い県が中央の答申以上の引き上げに踏み切りました。(鹿児島県の29円など19県)。
都会と地方の格差の理由は「物価が違うから」といわれますが、コンビニの価格やスマホの料金は全国一律です。
最賃も全国一律の最低保証がのぞまれます。
◆消費増税は何をもたらすか
消費税の最大の問題は、庶民にとっては「逆進性」、中小企業にとっては「転嫁ができない」ことです。下請企業などが「消費税分負けといて」と取引先に言われて、消費税を上乗せできない問題は、消費税が導入されて以来、未解決のままです。
日本経済は、消費税増税が繰り返された90年代以降、低迷を続け、“成長しない国”になってしまっています。
さらに追い打ちとなる消費増税は、経済・景気・暮らしに重くのしかかってきます。
◆いまこそ中小企業支援を
中小企業に対する支援策として、最賃引き上げによる社会保険料アップの対策(減免)、消費税転嫁を保証する公正取引の対策強化など、緊急に取り組むことが求められます。
「小さく産んで大きく育てる」
【消費税年表】
1989. 4.1 消費税3%導入、免税点3千万円
1997. 4.1 税率5%にアップ
2004. 4.1 免税点1千万円に
2014. 4.1 税率8%にアップ
2015.10.1 税率10%アップ見送り(景気による?)
2019.10.1 税率10%にアップ、軽減税率導入
「最低賃金千円時代」に!!
① 東京1,013円 ② 神奈川1,011円 ③ 大阪964円(28円アップ)
★全国加重平均901円(27円アップ)
大阪の推移 近畿の最賃
年度 | 最賃(円) | アップ(円) | 府県 | 最賃(円) | アップ(円) |
H26 | 838 | 19 | 滋賀 | 866 | 27 |
27 | 858 | 20 | 京都 | 909 | 27 |
28 | 883 | 25 | 大阪 | 964 | 28 |
29 | 909 | 26 | 兵庫 | 899 | 28 |
30 | 936 | 27 | 奈良 | 837 | 26 |
R 1 | 964 | 28 | 和歌山 | 830 | 27 |
【2面】
「日本でいちばん大切にしたい会社」見学記 参ノ巻・上
ケーキハウス・ツマガリ(甲陽園)
秋の恒例行事となりつつある会社見学会。筆者が代表を務める大阪社労士会の安全・衛生自主研究会の人気企画です。「日本でいちばん大切にしたい会社」・第7回(平成29年3月)審査委員会特別賞を受賞した西宮市・甲陽園のケーキ屋さんを訪れました。
甲陽園の駅前にあるケーキハウス・ツマガリは「良い心がチカラになって、いいお菓子が生まれます」がモットーです。デパ地下に出店し、通販も行っているので、「ツマガリのお菓子のファン」という理由で見学会に参加した人も数人いました。
見学に先立って、創業者である津曲孝社長のお話をじっくりお聞きしました。出来立てのシュークリームやクッキー、牛乳の「おやつ」に先ず引き付けられました。
ツマガリは「とことん納得できる素材をつかって、本当においしいお菓子だけをつくりたい」という社長さんの思いから始まったお店です。
牛乳は山地酪農をおこなっている岩手県田老地区の酪農家から毎日送ってもらいます。新鮮で、コクのある牛乳です。バターや小麦粉もしかりです。
「なぜ素材にこだわるか。それは当たり前のことだ」と社長さん。お菓子職人の心意気が感じられました。
商品に限らず、飴細工の作品展への出品、お菓子で作った姫路城(原寸の50分の1)など可能性を追求し続け、人を幸せにするお菓子づくりに取り組んできました。
それだけでなく、社長さんは、「人づくり」「地域づくり」にも長年にわたって精を出してきました。 (つづく)
だから映画はおもしろい vol.34
み と り し
(2019年、日本)
●近頃、終活という言葉をよく耳にします。社労士にファイナンシャルプランナーの資格取得をすすめてくる営業もよくあります。
しかし、看取り士という資格・職業があることは、映画を見るまで知りませんでした。
●本作に登場する看取り士は車椅子を押すなどの介護行為もしますが、その部分はフィクションとのことです。また、医療行為は行ないません。
看取り士の仕事は、「自然で幸せな最期を迎えられるために、旅立つ方に寄り添い、思いや愛を受けとめ、残った方に受け渡し、納棺前までの最期に寄り添う」ことです。
●本作は、交通事故で娘を亡くし、定年前に脱サラして、岡山県高梁市で看取り士ステーションを開設した柴久生(榎木孝明)と新人看取り士・高村みのり(村上穂乃佳)を中心に、旅立つ者と送る者の最後の時間を温かく支える人々を描いています。
重いテーマに正面から向き合い、小さい子どもを残して旅立つ若い母親など、やりきれないエピソードもありますが、やさしく、心温まる物語です。
●10年ほど前に見た『おくりびと』も印象に残る作品でしたが、本作がよりリアルに感じられたのは、筆者が年齢を重ねたからでしょうか。
これまでの人生の中で、人生の最期に立ち会ったことがなく、それを職業にすることの大変さを実感しました。
社会保険労務士も看取り士と同じく、資格に基づく職業です。人の役に立つ資格として生かしていきたいと思います。
編集後記
▼「菓子袋に金貨」とは、まるで時代劇です。「原発マネー」は、原発がある限りつきまとうものなのか。
「クリーンに 人の心も 汚染する」(川柳のつもり)
▼ラグビーのルールを知っていることが、これほど役立つ日がくるとは。世界中のラグビーファンを身近に感じる日々。11月2日の決勝戦まで、目が離せません。