来年度の加算届の締切(2月末)が迫る中、北海道の介護事業所の処遇改善加算の不正受給が大きく報じられました。
これを機に、処遇改善加算についての考えとそれにもとづく実践を整理してみます。
Q1.加算はいつまで続くの? 加算は「あてにしない」方がいい?
A1.「3年間限定」といわれていた介護職員処遇改善加算は平成27年度から、新たに加算Ⅰが創設され、延長・拡充されました。これは介護報酬の減額と同時に実施されました。
加算がなければ、職員の賃金水準は改善どころか維持することすら難しく、介護業界の人材確保はますます困難になってしまいます。この状況で「加算の廃止」は現実的でないと考えます。
Q2.加算Ⅰを取るのはむつかしい?
A2. たしかに、以前の加算Ⅰ(今の加算Ⅱ)に比べて、キャリアパス要件(「任用基準」と「賃金体系」)が難しくなりました。しかし、小規模な事業所でも十分に対応できるものと思います。むしろ、積極的にチャレンジすることをお勧めします。
Q3.加算Ⅰの届出の内容は自治体によって違うの?
A3.大阪市の場合、次の3つの文書(最低限)が必要です。
①加算届出書・計画書一式 ②任用基準 ③賃金体系
これが、東大阪市では①だけでよいとされています。ただし、実地指導の際には、②③も備えておくことが必要になります。
Q4. 「任用基準」はどんなものが必要なの?
A4.職位(職責)ごとの職務内容、賃金の定めがあることです。職位(職責)とは、訪問介護の例では、管理者・サービス提供責任者・常勤ヘルパー・非常勤ヘルパーといったところです。職務内容は、ふだんやっていることをまとめればいいでしょう。
Q5.「賃金体系」はどんなものが必要なの?
A5.職位(職責)ごとに、手当を含む月給(または時給)の金額が定められていることです。処遇改善加算の対象となる職位(職責)には、加算を原資とする手当(または一時金)も加えることができます。これらが賃金規定(就業規則の一部)に盛り込まれていることが必要です。
Q6.では、小規模な介護事業所でも加算(Ⅰ)は取れるのですね?
A6.かわちの社労士がサポートします。