失業したり、育児や介護などで休業する場合、生活や雇用の安定を図るための公的保険が「雇用保険」です。
しかし一口に「雇用保険」と言っても、その種類は様々。
今回は、失業した人の再就職支援を目的として支給される、雇用保険の手当についてご紹介します。

再就職を促進するための手当

失業した人が再就職するための援助、また、再就職を促進することを目的とした雇用保険の手当を「就職促進給付」と言います。
「就職促進給付」には、以下のような種類があります。

再就職手当

雇用保険の基本手当受給資格者が、所定給付日数が3分の1以上残っている状態で再就職した場合、支給要件を満たしていれば支給される一時金。
残日数が3分の1以上の場合は残日数分の60%、3分の2以上の場合は残日数分の70%が支給されます。

就業促進定着手当

再就職先に6カ月以上雇用され、その6カ月間の賃金が転職前の賃金と比較して低下している場合に支給される、雇用保険の制度。
最大で基本手当の40%が支給されます。

広域求職活動費

雇用保険の基本手当受給資格者等が待機期間後に、遠方での求職活動を開始した場合などに支給される手当。

常用就職支度手当

雇用保険の受給資格者のうち、障害のある方など就職が困難な受給資格者が、安定した職業に就いた際に支給される手当。
支給額は、原則として「90日×40%×基本手当日額」となります。

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このように、雇用保険では失業した人の再就職を支援する様々な制度を整えています。
上記の他にも、雇用保険の基本手当受給資格者が職業訓練を終了した場合に一定額の訓練経費が支給される「短期訓練受講費」、雇用保険の基本手当受給資格者が、面接や職業訓練のために子供を保育機関に預けた場合の利用料をサポートする「求職活動関係役務利用費」など、様々な手当があります。

「雇用保険」は、労働者が失業や休業した場合にも安心して生活を維持することができるよう設けられている制度。
もしもこれらの手当の受給が必要になった場合は、雇用保険制度を正しく理解し、円滑に給付の手続きを行うようにしましょう。