労働者をサポートし、生活を保障するために作られたのが「労働保険」。
この「労働保険」とは別に、私たちがよく耳にするのが「社会保険」です。
では、「労働保険」と「社会保険」にはどのような違いがあるのでしょうか。

「労働保険」とは

「労働保険」とは、労働者の、労働に関する保護と雇用の安定をサポートすることを目的とした、国が運営する社会保険制度です。
労働保険は、「労災保険」と「雇用保険」を総称したものであり、正社員、パート、アルバイトなど雇用形態にかかわらず、労働者を1人でも雇っている事業主は、労働保険の加入手続きを行い、労働保険料を納付しなければなりません。

労災保険

「労働保険」に含まれる「労災保険」とは、勤務中の事故やケガ、病気をカバーし、治療費や休業中の手当てを支給する制度です。
労働者の健康と安全を守り、全労働者が「労災保険」の対象となります。

雇用保険

労働者が失業した際の経済的支援を目的とする制度が「雇用保険」。
労働者が新たな職を見つけるまでの生活をサポートし、条件を満たせばパートタイマーやアルバイトでも「雇用保険」の加入対象となります。

「社会保険」とは

一方で「社会保険」とは、「健康保険」「厚生年金保険」「介護保険」の3つをまとめて表現したもの。
「労働保険」も「社会保険」もどちらも、労働者である社員や公務員の病気や失業、介護、労働災害といったリスクに備えるための制度です。

健康保険

「健康保険」とは、病気やケガをした際、個人の負担を減らすための保険。
健康保険には働き方によっていくつかの種類がありますが、日本ではすべての国民が公的医療保険に加入することを義務付けています。

厚生年金保険

会社員や公務員などの被保険者が加入できる年金制度が「厚生年金保険」です。
厚生年金保険料には、国民年金保険料が含まれているため、保険料を納めることで、将来もらえる年金を増やすことができます。
——————————–
「労働保険」も「社会保険」も、労働者が年齢や勤務形態などの条件から、加入資格があると判断された場合には強制加入となります。
「労働保険」の中でも「労災保険」だけは全額事業主負担ですが、その他の保険料は、毎月の給与から天引きされることになります。

「労働保険」と「社会保険」は、どちらも私たちが生活する中で直面するさまざまなリスクに備えた、いざというときに生活を保障する制度。
暮らしやすく、働きやすい社会づくりをサポートするのが「労働保険」と「社会保険」の大切な役割なのです。