労災による怪我や病気により、仕事を休むことになってしまった…
この場合、労災保険からの休業給付により、休業中の賃金が補填され治療に専念することができます。
では、療養中いつまで会社を休めるのでしょうか。
労災による療養期間
労災により会社を休んで療養することになった場合、休業給付の支払い期間に上限はありません。
労働者の傷病が治癒するまで支払われます。
ただし、労災の休業給付は、仕事を休んだその日から支払われるのではなく、休業4日目から支払われるということを覚えておきましょう。
また、休業給付として支払われる金額は、特別支給金を含めると給付基礎日額の80%。
そのため、休業したとしても、ある程度は経済的問題を心配することなく治療に専念することができます。
労災の原因が会社にある場合
労災による病気やケガの原因が会社側にある場合、トラブルを防ぐためにも以下のような対応を覚えておきましょう。
社労士に相談
労災被害に遭った場合、円滑に申請を進めるためにはまず会社の社労士に相談するのが一般的です。
ただし、労災の原因が会社にある場合、または会社への損害賠償請求など法的判断が必要となった場合は、弁護士に相談しアドバイスを受けることもあります。
トラブルを最小限に抑えるためにも、まず労災事故が起きたら社労士に相談することをおすすめします。
労災事故の証拠集め
労災の原因が会社である場合、事故の原因を証明する必要があります。
会社への損害賠償請求をする前に、会社の責任を立証できる証拠を集めることが重要。
そのような証拠が必要になるのかは、事故案件によっても異なりますので、社労士または弁護士に速やかに相談しましょう。
会社に対する損害賠償請求
労災事故の原因が会社にある場合、慰謝料などの損害賠償を請求できる可能性があります。
その際、以下の二つの法的用語を覚えておきましょう。
①使用者責任
労働者が不注意で他の労働者に被害を与えてしまった場合、その労働者を雇用する会社も責任を負うというもの。
会社が、労働者を雇用して利益を得ている以上、業務中に発生するリスクについても負担すべきという考え方です。
②安全配慮義務
会社が労働者に対して負っている義務のひとつ。
労働者の命と安全を危険から守るよう配慮すべき義務のことであり、労働者に安全措置をとることなく労災事故が起きた場合は会社に安全配慮義務違反が認められる可能性があります。
万が一、労災事故に遭ってしまったら、トラブルを防ぐためにも個人で判断せず、まずは速やかに会社の社労士に相談し、円滑に手続きを進めることが大切です。