かわちのタイムスNo.12(20141201) ← クリックすると画像が見られます。
【1面】
介護保険制度&報酬
見えてきた ダブル改正
2015年は15年に一度の介護保険ダブル改正の年。
介護事業者・ご利用者にとってどんな改正になるのか。
◆処遇改善加算は「廃止」でなく、「延長・拡充」に
3年の期間限定で導入された処遇改善加算は、「廃止」の方向が示されていましたが、条件付きで加算を増額する「延長・拡充」となりました。
介護職員の賃上げにつなげるためですが、加算拡充の対象は「昇進・昇給ルールを盛り込んだ賃金体系を整えた事業者に限定」するとされました。年内までに社会保障審議会で具体案が出されます。
しかし、介護報酬全体は6%減となり、特養やデイサービスの報酬が見直されます。
◆小規模型デイの基準変更(経過措置期間あり)
「地域包括ケアシステムの構築」をめざす上で、通所介護の事業所の見直しとして、小規模型デイの移行案が明らかにされました。
利用定員が18人以下の事業所は、地域密着型通所介護に移行していくというものです。
地域密着型サービスは市町村の指定となるので、運営基準の条例制定や施行までの期間などで、3年間の経過措置期間が設けられます。
◆費用の公平化=ご利用者負担の増加
費用負担の公平化の内容は、①2割負担の「一定以上所得者」基準の引き下げ ②高額介護サービス費の限度額の引き下げ ③補足給付の見直し(所得要件だけでなく資産要件も対象に) ④第1号保険料の段階見直し(現行6段階を9段階に) など、どれをとっても「ご利用者負担の増加」となります。
特に2割負担となる「一定以上所得者」は、年金収入のみの単身者で二八〇万円とする案が出されており、被保険者の上位2割に2割負担を強いることになります。
このように、今回のダブル改正は、介護事業者にとっても、ご利用者にとっても大きな影響をもたらします。
当事務所は今後も制度&報酬改正の情報をホームページなどでお知らせするとともに、処遇改善加算を受けるための人事評価制度作成支援などにとりくんでいきます。
新事務所に移転します
心機一転、開業3年めを迎えます
【住所】
〒577-0012
東大阪市長田東2-3-22 長田東條ビル601号室
【TEL&FAX】
06-6785-7133
★12月10日(水)オープンです
【2面】
かわちの社労士事務所
発表!2014年の10大ニュース(重大ニュースではありません)
1.長田駅前の新事務所に移転 … 3年計画を前倒しして、2年めの掉尾に移転します
2.介護事業所サポート始める … 念願の介護事業所のお役に立つ社労士をめざします
3.一人親方労災加入にとりくむ… 建設業の労働・社会保険加入をお手伝いしています
4.小規模保育施設認可を応援 … 東大阪市の認可外保育施設の認可を応援しています
5.助成金申請代行に次々着手 … 介護や建設分野の助成金をほぼ毎月申請しています
6.神戸・姫路で講師を務める … 「派遣元責任者講習」講師のエリアが広がりました
7.メンタルヘルス法務主任者に合格… ますます重要になるテーマの担い手の民間資格です
8.医療労務コンサルタント取得… 医療機関の労務管理に積極的にかかわっていきます
9.自主研究会の幹事を務める … 大阪社労士会の安全衛生自主研究会のお世話役です
10.原付バイクに乗り始める … 行動範囲の広がりをスピードアップで乗り切ります
だから映画はおもしろい vol.10
『 生きる 』
(1952年、日本)
●仕事と子育てに忙しかった40歳前後に、シェークスピアの戯曲全37作を読み、黒澤明監督の映画全30作を観賞したことは、筆者のささやかな財産です。
二人に共通することは、「代表作がない」ということです。なぜなら、「全作品が代表作」だからです。
●黒澤明の17回忌にあたり、『生きる』を再見しました。
この映画の主人公(志村喬)は市役所の市民課長です。当時も今と変わらず、お役所仕事は組織にがんじがらめで、「ことなかれ主義」「責任回避(たらい回し)」の風潮が蔓延していたことがわかります。
その中で、「ミイラ」とあだ名された主人公が、胃ガンに侵されていることを知ります。
最愛の息子にさえ打ち明けられず、生きる希望を失う主人公ですが、市役所を退職して玩具工場で働く若い女性の元部下と触れ合う中で、「自分も残された時間で何かができる」と気付きます。
その第二の誕生を暗示するシーンから、場面は主人公の「お通夜」へと一転します。
おそらく映画史上最長と思われる「お通夜」の席上、主人公が余命を賭して、市民からの陳情に応える公園建設に奔走したことが徐々に明らかにされていくのでした。
主人公が雪の中、完成した公園のブランコに乗って「いのち短し恋せよ乙女」と口ずさむ場面が心に染み込みます。
感激した職場の同僚たちでしたが、その後も市役所の仕事ぶりは変わりません。一見、現代の「公務員バッシング」につながるようですが、「人間は自分のいのちと向き合った時に、生まれ変われるのだ」というテーマを、それが最も困難だと思われる公務員をモデルに描いたのだと思います。
●最後に、シェークスピア全集と黒澤映画(ビデオ)は、今も毎週通っている府立図書館の貸出しを利用したことを付け加えておきます。
編集後記
▼最近、将棋界では「人間ならこう指す」の言い回しが流行。年々進化するコンピューターに負けたとて、人間臭い、人間ならではの闘いが盤則を熱くさせるのでしょう。
▼消費税増税を先送りするための総選挙とは。10%への増税の賛否を問う総選挙というなら、わかりやすいのですが。