かわちのタイムスNo.76(20250801) ← クリックすると画像が見られます

【1面】

労災事故多くないですか?
ヒューマンエラーなくすには

労災保険請求の依頼が増えています。最近の労災事故には、いくつかの特徴がみられます。

次の点が気になります。
①外国人労働者のケガが多い。②派遣労働者・日々紹介労働者のケガが多い。
この2点に共通するのは、ケガをした労働者がその業務に慣れていなかったのではないかということです。作業につくときの教育、指示・伝達が事故防止につながります。
③ヒューマンエラー(不注意)によるケガが多い。
手指のケガが目立ちます。ネジが刺さった(製造)、エアコンの室外機に当たった(建設)、調理中に熱した調味料が跳ねた(保育)。
その他、足を滑らせたはずみによるケガ、手に持っていた物を落としたことによるケガなど。
このようなヒューマンエラ―(人間特性によるミス)をなくすには、事故から学び、
〇組織として対策を立てる
〇個人の集中力を高める
〇安全指示を的確におこなう     ことが必要とされます。
労災事故は完全にはなくせません。「労災隠し」につながらないように、労働者が労災を申告しやすい雰囲気を作ることも重要になります。
労災事故が起こったら、とにかく社労士に電話を!

 

熱中症にかからない対策を!

●熱中症は温度が低くても湿度が高いと発生

●最初は軽症でも時間経過で重くなることも

●体温調節機能が低い高年齢者は特に注意を

●墜落・転倒災害も熱中症によるものが多い

熱中症(Heat stroke)とは 〈画像参照〉

現場の熱中症への応急措置 〈 〃  〉

熱中症対策の3原則    〈 〃  〉

 

監査・運営指導立会日誌

(介護・保育・障害福祉施設への行政等の調査立会)

7月2日  企業主導型保育園(東大阪市)

7月12日 就労継続支援B型事業所(泉南市)

7月28日 放課後デイサービス(東住吉区)

8月(予定) 訪問介護・就労継続支援B型(東大阪市)

 

【2面】

審査請求で権利の救済

障害年金3級から2級

昨年後半から次の様な審査請求の依頼がありました。

 障害年金3級決定に不服、2級認定を求める    障害年金不支給決定に不服    労災保険請求不支給決定に不服

◆審査請求なかったことに?

ケースは精神障害で3級該当となりましたが、診断書による点数は「等級決定ガイドライン」の2級相当。①診断書の障害の状態の記述が不十分だった可能性がある②幼児である子どもと二人暮らしであることから、子育てができていると判断された可能性がある、と考えられました。また、①②とも「病歴・就労状況等申立書および別紙」に経過と現状を詳細に記述しているにもかかわらず、診断書の記述だけを材料とした処分がされたと感じられました。

主治医に問題点を伝えて診断書を再作成してもらい、近畿厚生局社会保険審査官に審査請求をおこないました。

約4か月後、審査官から社労士(代理人)に「現処分を『2級該当』に変更します。『審査請求の取下げ』をしてください」と電話が。

審査請求をおこなったから処分が変更になったのに、厚生労働省は「原処分取消の決定」を出したくないので、審査請求そのものをなかったことにしてほしいと要望してきたのです。

「ちょっと違和感」を感じましたが、相談者の希望を叶えることができました。

ケースは審査請求却下を受けて今後を検討中、は審査請求の手続き中です。

※ ケース1の審査請求は実際に寄せられた相談をモデルにしたフィクションです。

 

   だから映画はおもしろい vol.63

 木の上の軍隊

            (2025年、日本)

●いのうえひさし原案、こまつ座上演作品の映画化といえば「父と暮らせば」を思い起こします。「母と暮らせば」(映画が先、舞台は後)と合わせて、「こまつ座・命の三部作」第2作の初の映画化作品です。

●主役の2人、堤真一と山田裕貴の熱演が光りました。戦後80年の夏、絶賛上映中のため、ストーリーには触れません。実話を基に描かれたと聞き、筆者が中学生の頃、南の島から帰還された横井さん、小野田さんを連想しました。「それにしても、沖縄で?ガジュマルの木の上に2年間も?食料はどうしたのか?」と次々と疑問が沸いてきました。

●本作は戦闘シーンも多い戦争映画ですが、それ以外にも多くのテーマを描いています。

沖縄出身の平一紘(たいらかずひろ)監督(35)は、次の様に語っています。

「元になった舞台作品は沖縄戦を描くだけでなく、2人の葛藤や悩み、それらをユーモアで包み込むようなエンターテインメント作品でした。これなら(沖縄戦について『向き合ってこなかった』)僕にも挑戦できるかもしれないと思いました」

本作を見てほしいのは「戦争映画を見たくない人」だといいます。「戦争映画の悲しみや苦しみを避けてきた人っていると思います。僕もその1人でした。本作は2人の人間のサバイバルドラマでもあり、ユーモアあふれるヒューマンドラマでもある。悲喜こもごも、いろんな感情が渦巻く映画になっています」

●その言葉通りの作品でした。平日夜の映画館、客席に女子高生コンビを発見。きっと平監督の思いが伝わったことでしょう。

 

編集後記

▼「退職代行」に関する会社からの相談がちらほらと。代行業者、弁護士、労働組合などから突如連絡が来て面食らいますが、まずは冷静になって対処することを薦めます。

▼参院選は三連休の中日。投票率はまずまずで18・19歳は41%でした。筆者は大学入学と同時に政治に関心を持ち「投票できたらなあ」と考えていたことを思い出します。