かわちのタイムスNo.57(20220601) ← クリックすると画像が見られます。

【1面】

雇用保険料率 7年前に戻る

2段階で大幅アップ

◆雇用保険財政の浮き沈み

コロナ禍の影響で底をついた?雇用保険財政を立て直すべく、雇用保険料率が2段階の引き上げとなりました。今年10月には7年前の料率に戻ります。

ここ十数年を見ても、不況(リーマンショック)→失業者増加→料率アップ→好況→失業率減少→料率ダウン→不況(コロナ禍)→料率アップと循環しています。

資本主義社会において景気が一定期間に循環するのは必然のことです。震災や疫病、戦争が循環をわかりにくくしている面はありますが。

雇用保険財政を持続的に維持するには、短期的に料率を変更するのではなく、長期的なプランが求められます。

◆大幅アップへの対応策

労働保険料年度更新が始まり、増加する雇用保険料に対応しなければなりません。

SR事務組合を利用の事業所様については、すでに増額にみあう計算法で申告しました。

事務組合以外の事業所様の年度更新は下記の方法で計算する予定ですので、ご理解をお願いします。

今年の年度更新は雇用保険料率アップで計算

例)年間の賃金合計が2千万円の場合(一般事業)

Ⅰ 今年の年度更新

〈確定保険料額〉 2千万円×9/1000=180,000

〈概算保険料額〉=来年の確定保険料見込額

4~9月  1千万円×9.5/1000 = 95,000円

10~3月  1千万円×13.5/1000=135,000円  合計 225,000

Ⅱ 来年の年度更新

〈確定保険料額〉 見込額どおりなら   225,000円

〈概算保険料額〉 2千万円×13.5/1000=270,000

Ⅲ 結果的に2年続けて25%アップすることになる

 

【 2022年 雇用保険料率の推移 】

事業の種類 今年3月まで 今年4月から 今年10月から
一般 9/1000

労働者3/1000

事業主6/1000

9.5/1000

労  3/1000

事 6.5/1000

13.5/1000

労  5/1000

事 8.5/1000

農林水産

清酒製造

11/1000

(労4+事7)

11.5/1000

(労4+事7.5)

15.5/1000

(労6+事9.5)

 

建設

12/1000

労働者4/1000

事業主8/1000

12.5/1000

労  4/1000

事 8.5/1000

16.5/1000

労  6/1000

事 10.5/1000

 

長田駅前セミナールーム

研修・会議室オープン❣ 

◆東大阪市長田東2-1-31プレミール福山ビル202号室 (当事務所のビルの2階)

◆大阪メトロ中央線長田駅3番出口徒歩1分

◆相談、会議、小規模の研修に便利です。

定員12名。パソコン、大型モニター、ホワイトボード、空気清浄機完備。

 

9月まで延長! 雇用調整助成金

◎特例措置が9月まで延長に

◎原則の上限額は1日9,000円 「業況特例」は1日15,000円

◎「業況特例」の対象は1~3年前の同時期と比べて3ヵ月平均の売上額が3割以上減少している企業。申請ごとに売上額の資料を提出

 

【2面】

街角の年金談義 その弐

社保適用拡大のメリットは?

社 長 社会保険に加入する範囲が広がるんやてね?

社労士 2年間前に決まった年金改正法がいよいよ10月から始まります。

社 長 うちは今のところ大丈夫かな?

社労士 今回はよくても、2年後にも改正があるので…

社 長 この不況の時期に会社の経費が増えるのは大変やなぁ。

社労士 その反面、従業員には「メリット」もあります。

社 長 福利厚生かな。知らんけど。

社労士 ①厚生年金に入ると将来の年金受取額が増える。②健康保険に入ると病気の時に「傷病手当金」が受けられる。

社 長 そう言って、嫌がる従業員を説得せい、てか。

社労士 年金事務所は昨年から、従業員数が百人前後の事業所に絞って訪問調査を続けています。

社 長 年金事務所から従業員を説得してほしいもんや。

社労士 それは事業主の義務なので。「お役目」ご苦労様です。従業員への説明など、社労士にできることはお手伝いしますよ。

 【 短時間労働者の社会保険加入範囲の広がり 】

要  件 ~2022年9月 22年10月~ 24年10月~
規  模 常時501人以上 101人以上 51人以上
労働時間 所定労働時間が

20時間以上

賃  金 88,000円以上
勤務期間 継続して1年

以上の見込み

継続して2ヵ月

を超える見込み

 

だから映画はおもしろい vol.48

教 育 と 愛 

                (2022年、日本)

●2017年にギャラクシー賞テレビ部門大賞を受賞したドキュメンタリー番組が、その後の再取材を加えて映画になりました。監督の斉加尚代さん(MBSのディレクター)の講演を3年前に聞いて以来、映画の完成を待ち望んでいました。

●本作のメインテーマは教科書検定をめぐって政治がいかに圧力をかけ、教育への介入を強めてきたかを明らかにすることです。

筆者は子どもが小・中学生の頃、PTA役員を務めていたこともあり、教科書検定の成り行きに大きな関心を持っていました。

●当時、教科書会社の最大手だった日本書籍が2001年の教科書検定を機に、倒産していたことに驚かされました。

「慰安婦」問題などの記述が右派勢力の標的にされ、採択が激減したからです。

その頃に名乗りをあげた「アブナイ歴史教科書」(国の始まりを神話で説明するなど)が東大阪市で採択されてしまい、不安を感じたことを覚えています。

●今の教科書作りは調査官への「忖度」、自己規制でがんじがらめになっています。日本の戦争加害の歴史を教える大阪市の中学校の教師や、新しく作られたまともな教科書を使う学校にはバッシングが殺到しています。

●「支配的な思想は、支配者の思想である」という言葉が想い起されます。権力の監視こそがジャーナリズムの役割です。大阪の地でそのことに果敢に挑み続ける女性ディレクターの仕事に拍手を送りたい。

 

編集後記

▼アメリカでまたも起こった学校での銃乱射事件。マイケル・ムーア監督の「ボウリング・フォー・コロンバイン」から20年たっても、銃規制は全然進んでいません。

▼事務所の観葉植物(シェフレラ)が伸びすぎて通路を塞いでいたので、2年ぶりに「取り木」を実施しました。3鉢めの成長を見守っていきます。