かわちのタイムスNo.9(20140601) ← クリックすると画像が見られます。
【1面】
雇用関係助成金 ほぼ「据え置き」
助成金 上手く使って 会社伸び
昨年度、雇用関係助成金は大幅な統廃合、廃止がありました。新設された「日本再生人材育成事業」「若者チャレンジ奨励金」は、数ヵ月で予算を使い切り、早々に受付停止されました。
今年度は、大きな変更は見られませんが、「ワークライフバランス」「再就職援助(労働移動支援)」などをテーマにいくつかの新設があります。
また、受付停止された助成金と類似の助成金が残されており、引き続き使えます。
◆助成金代行は社労士へ
現在当事務所では、キャリアアップ助成金、中小企業労働環境向上助成金の受給代行に取り組んでいます。計画段階から多数の書類作成に加え、新たな規定を盛り込んだ就業規則の作成・届出が必要です。
会社の人事労務管理の改善にもつながりますが、多忙な社長さんにとって、助成金の手続きは大変だと思います。
助成金代行は長期間の業務になりますので、社労士としても継続して契約していただけると安心できます。
◆情報の素早いキャッチも
4月から中小企業労働環境向上助成金・健康づくり制度のメニューが変わりました。それまでの「インフルエンザ予防接種」などが削られ、「生活習慣病検診」などが追加されました。
3月下旬に助成金センター(谷町4丁目)で情報を得たのですが、4月初めに厚生労働省のホームページに掲載されるまで、周知されていませんでした。新しい情報をいち早くつかんで知らせるのも、社労士の役割と考えています。
助成金を活用するには
☑ 雇用保険に加入する
「電源にコードをつなぐ」ことから
☑ 労働保険料を納める
年度更新は7月10日までに
☑ 社内の書類を整備する
労働者名簿・出勤簿・賃金台帳など
☑ 就業規則を備える
社員10名以上の場合は届出を
☑ あらかじめ必要な手続きをする
「計画」の認定、事前の届など
☑ かわちの社労士に依頼する!!
どの段階からでもお応えします
一歩前進 介護事業所のお役に立ちたい!
昨年お盆過ぎから始めた介護事業所訪問が100ヵ所を超えた4月、相次いで新しい出会いがありました。
近くの会計事務所の紹介、ホームページ経由、再訪問先の3人の介護事業経営者様から、給与計算、職員への周知文書の作成、助成金代行の仕事をお受けしました。
来年に迫った介護保険報酬&制度のダブル改正に向けて、地域密着型の「身近でお役に立つ」社労士へ、歩を進める機会に恵まれたと思っています。
【2面】
「子ども・子育て支援新制度」で
どうなる? 保育労働者 パート3
新制度が従来の認可保育所に代わって、幼保連携型認定こども園・小規模保育施設を軸に待機児童解消を進めようとしていることは明らかです。
東大阪市でみると、行政は次の様に考えていることが窺えます。「このまま少子化が進行すると、いまの幼稚園と同じように保育所も定員割れが起こるようになる。当面0~2歳児の待機児童さえ解消できればよく、認可保育所増設は不要だ」。
筆者は、①少子化対策を唱えるのならば、少子化が止まらないことを前提にすべきでない②横浜市の様に、行政が動けば、今以上に潜在的な待機児童が表面化する、と考えています。
さらに、保育所の最低基準引下げが安易に進められると保育の安全面が心配されます。
保育所は保護者の就労を保障するだけでなく、乳・幼児の心身の発達を保障するという大きな役割を担っています。
しかし、保育労働者の待遇は介護労働者と同じく、低水準です。新制度では雇用創出だけでなく、保育労働者の待遇改善の施策も必要です。
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文楽(人形浄瑠璃) だからおもしろい vol.2
『菅原伝授手習鑑』 (国立文楽劇場)
日本三大名作戯曲の一つ、「菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)」。4月、国立文楽劇場の通し狂言を観賞しました。
今回は人間国宝、七世・竹本住大夫(すみたゆう)の大阪での引退公演でもありました。
物語は近松門左衛門の「天神記」を元に書かれ、1746年に大阪竹本座で初演されました。
右大臣・管丞相(かんしょうじょう)=菅原道真が九州大宰府へ流罪になる第一部につづき、第二部では丞相のために働いた三つ子、梅王丸・松王丸・桜丸が主役です。
クライマックスが2度ありました。
「桜丸切腹の段」に住大夫が登場すると、「待ってました!」の声が次々掛かり、拍手が鳴りやみません。第一人者として、2年前に患った脳梗塞をリハビリで乗り越えた89歳の語りを堪能しました。
第二部の大詰めを前に、客席からは「あとは寺子屋(の段)や」のささやきが聞こえました。朝から9時間を過ぎ、野球で言えば、同点で迎えた9回の攻防を観るために、プレイボールから延々と観戦してきた気分です。
管丞相の若君・管秀才(かんしゅうさい)を匿っていた武部源蔵(たけべげんぞう)は、左大臣・藤原時平(ふじわらのしへい)の家来から「管秀才の首を差し出せ」と迫られます。絶体絶命のピンチに、源蔵は寺子屋の生徒の小太郎を身代わりに立てます。実は、これは松王丸のはかりごとで、管秀才の首の検分役である松王丸は、時平に仕える身でありながら、管丞相への忠義からわが子の小太郎を送り込んだのでした。
「わが子を身代わりに差し出すとは…、忠義とは…」と割り切れない思いが込みあげる中、はねられた人形の首を見てすすり泣く客席の姿に、文楽の奥深さ、魅力を垣間見ることができました。
編集後記
▼「過労死等防止対策推進法案」が成立へ。「働いて死ぬなんておかしい!」という遺族の訴えを誰も否定することはできません。
▼今国会は、労働安全衛生法一部改正=可決(ストレス・チェックなど)、医療・介護総合法案、労働者派遣法改正案など労働・社会保険分野の重要法案が目白押し。会期末に向けて要注目。