かわちのタイムスNo.47(20201001) ← クリックすると画像が見られます。
【1面】
年末まで使える!
雇用調整助成金 期間延長
コロナ自粛に補償を(4)
雇用調整助成金の「特例措置」の期間が延長され、今年12月末までの休業が対象になります。
申請締切は給与締切日から2ヵ月後なので、来年に入っての申請も大丈夫です。
◆雇用調整助成金申請の特徴
コロナ収束が見えない中、雇用調整助成金の全国の申請に次の特徴が見られます。
①週単位の申請件数は全国的には8月下旬から9月上旬に申請数が急増し、現在もそれほど減っていない。
②週単位の決定件数は9月に入って申請件数を上回るようになった。
③支給決定額は1件当たりの金額が増え、累計で1兆5千億円を超えた。
当事務所の申請状況は次のとおりです。
①これまでに申請した28社の内訳は、製造加工・運送・建設・飲食・卸小売・サービスなど、ほぼ全業種に及ぶ。
②2回以上申請している事業所がほとんどで、半数以上が現在も申請を継続している
③2回目以降の申請の支給決定がスピードアップした。
◆売上回復へ踏ん張るとき
申請を継続しているお客様の中には、観光客がメインの飲食店、文化会館の舞台照明担当、イベントのチラシ作成を手掛ける印刷業など、売上回復に時間のかかる事業所が含まれています。国や自治体の更なる補償、支援が求められます。
医療・介護・福祉の分野では、従業員を休ませられないので、雇用調整助成金を利用することができません。
国の緊急包括支援事業として、介護職員一人当たり5万円の慰労金が支給されていますが、それに加えて、衛生対策などにかかった経費の支援金が受けられます。
当事務所のお客様が介護施設の面会所などの抗菌・消臭施工(支援金対象)を行われていますので、お気軽にご相談ください。
今後も雇用調整助成金代行をはじめ、コロナ禍に立ち向かう中小企業のお役に立つ仕事に取り組んでいきたいと考えています。
雇用調整助成金の申請状況Ⅱ
【全国の雇用調整助成金の申請状況】
~7月25日 | ~9月25日 | |
申請件数 | 572,136 | 1,327,779 |
決定件数 | 457,709 | 1,208,011 |
決定額 | 4235.7億円 | 1兆5265.7億円 |
【当事務所の雇用調整助成金の申請状況】
~7月30日 | ~9月25日 | |
申請件数 | 44 | 84 |
決定件数 | 9 | 37 |
最賃引き上げ 0・1・2・3円
コロナ禍では「やむなし」?
今年度の地域別最低賃金引き上げ額は0~3円、全国加重平均は1円アップの902円に。大阪府は964円で据え置かれました。
【2面】
「命に勝る契約書はない」
コンビニオーナー、大いに語る (上)
筆者が代表を務める大阪社労士会の安全・衛生自主研究会は「コンビニ24時間営業と過労死問題 立ち上がろう!コンビニオーナー」をテーマに、セブンイレブン東大阪南上小阪店オーナーの松本実敏さんを講師にお招きして講演会を開催しました。
松本さんはコンビニ時短営業の先駆けであり、本部からの契約解除の無効を求めて提訴された、いま注目のコンビニオーナーです。
オーナー希望者に対するコンビニ説明会での内容と現実との格差がいかに大きなものだったか。
商品(食品)廃棄が多ければ多いほど本部が儲かる仕組みの「コンビニ会計」。近隣地域に次々と新たな店舗を出店し、既存店が立ちいかなくなることが前提の「ドミナント戦略」。心無い従業員による「バイトテロ」等、次々に降りかかった難事を語られました。
コンビニ本部(巨大企業)の圧力に支配されているオーナーが直面している生々しい状況を知ることが出来ました。
松本さんが立ち上がられたのは、「世の中の人に便利を提供するために疲弊しているオーナーがいることを分かって欲しい」との熱い思いからでした。 (つづく)
だから映画はおもしろい vol.40
海辺の映画館
キネマの玉手箱
(2020年、日本)
●本作の封切り予定日(4月10日)が監督の命日となったのは、あまりの偶然でした。
がんで余命宣告を受けながら、2本の映画を世に送り出した大林宣彦(おおばやしのぶひこ)監督。しかも前作『花筐』を上回る驚きの映画を作り上げました。
●監督の「厭戦3部作」については、本欄ですでに取り上げました(2018.2.1)。本作は尾道にある海辺の映画館を舞台に、3人の若い男が映画の中に時空を超えて入り込み、戊辰戦争から太平洋戦争まで日本の近現代のあらゆる戦争を体験します。大林作品には珍しく戦闘シーンが出てくるだけでなく、広島で被爆した移動劇団「桜隊」の実話も盛り込まれ、まぎれもない「反戦映画」といえます。
●大林監督らしい奇想天外な映像が、中原中也の詩とともに展開し、3時間の大作となって、その点でも「遺作」にふさわしい作品となりました。監督自身の「映画の持つ力」「平和への想い」を受け止めた大勢のキャストたちの熱演こそが「キネマの玉手箱」です。
●本作は新型コロナのために封切りが7月末まで延期され、大林監督はもうこの世にはいません。しかし、監督自身が映画の中に生き続けることを確信し、「映画が世界を変える」メッセージを発信したことが、観る者を元気にしてくれます。
今の時代に一番大切なことを表現者として最後まで追求した監督が偲ばれます。
編集後記
▼5ヵ月ぶりの「囲碁・将棋サロン」は人影がなく、オーナーにお相手をしてもらいました。高齢者の多いサロンなので仕方ないか。趣味の世界もコロナとのたたかいです。
▼市の「プレミアム商品券」を買うか買わないかでミニ家族会議。消費スタイルの見直しにはなりました。経済活性化のためなら、消費税減税の方がはるかに効くでしょう。