かわちのタイムスNo.13(20150201)   ← クリックすると画像が見られます。

 

【1面】

   「どないしよう…」という時こそ

  とことん 建設業者の味方です

 

かわちの社労士は、開業以来、建設業のサポートをメイン業務の一つとしてきました。

 

建設業の三大災害は、①墜落・転落災害 ②建設機械・クレーン等災害 ③倒壊・崩壊災害です。

◆労災保険請求

災害防止対策が一番大事ですが、事故が起こってしまったときには、被災労働者保護のために、迅速で正確な労災保険請求が求められます。

病院の治療費の請求、休業補償の請求、死傷病報告に加え、作業員がバックホーなどの重機と接触して負傷した場合には、第三者行為災害の届出が必要となります。

下請事業者であっても、資材置き場や事務所での災害、通勤災害は、自社の労災保険を使用することになります。

社労士は、病院や労働基準監督署への届出、事被災労働者への聴き取りなど、労災保険請求の実務を事業主に代わって行います。

◆一人親方労災加入

従業員が独立を希望し、「一人親方」として扱う場合には、労災保険の一人親方の特別加入が必要です。

労災保険の加入確認が行われる現場では、「労災保険 特別加入者証」の呈示が求められます。

社労士がつくる事務組合の一人親方労災保険を利用すれば、加入手続き、年度更新や保険料の納付(コンビニ払い)も簡単です。

もちろん、事業主も現場に出入りするのであれば、特別加入しておくことが大切です。

◆雇用保険助成金

下請事業者にとっては、労災保険料に比べて雇用保険料が高いことが「悩みのタネ」でしょう。

建設業は一般の業種に比べて、賃金10万円当たりの雇用保険料が300円高くなります。

支払った雇用保険料を取り戻す意味でも、雇用保険助成金を上手に活用しましょう。

「建設労働者確保育成助成金」は登録実習機関に委託して行う、①建設工事の作業に関連する実習 ②特別教育(労働安全衛生法)③安全衛生教育などが対象です。

車両系建設機械、高所作業車、不整地運搬車、玉掛け、ガス溶接などの免許取得に使えます。受講料の8割と賃金一日あたり8千円が助成されます。

仕事の受注範囲が広がり、事故防止にも役立ちます。

他にも、キャリアアップ助成金などがあります。手続きは社労士が代行します。

 

  介護報酬はこう変わる!

 

★ 2015年度からの介護報酬が明らかになりました。介護事業所にとって厳しい内容です。

 

① 介護職員処遇改善分       “1.65%”

② 介護の必要度が高い人や認知症の人への

手厚いケアを行う施設を増やす分     “0.56%”

③ 事業者報酬の引き下げ     “-4.48%”

結果 ①・②・③の合計

(1.65% + 0.56% - 4.48%)=“-2.27%”

 

※ 「かわちのタイムス」前号では財務省要求の「6%減」としましたが、厚生労働省がやや反発し「4.48%減」となった模様です。

 

【2面】

  直前情報 続「子ども・子育て支援新制度」

  待機児童はなくなるの?

 

消費税増税先送りで心配されていた社会保障財源。来年度予算案は、介護「引き下げ」年金「先送り」が目立ちます。

そんな中、「子ども・子育て支援新制度」は待ったなしで4月からスタートします。

東大阪市でも、保育所や学童保育の待機児童解消に向けての施策が始まります。

昨年の「ニーズ調査」(1万人のアンケート回答に、国が定めた数値を掛けたもの)によって、0~2歳の待機児童解消には、現状で750人以上、5年後で550人以上の確保策が必要とされました。

このため、新制度の中心となる幼保連携型認定子ども園8ヵ所、小規模保育施設24ヵ所を新たに認可する計画の策定を予定しています。

このうち、27年度は幼保連携型認定子ども園2ヵ所(0~2歳児の定員80名)と小規模保育施設5ヵ所(同じく定員90名)が新設されます。

小規模保育施設の認可基準のうち、注目された職員配置については、配置基準上の保育士は有資格者に限るとされ、保育内容の水準は一定確保されることになります。

待機児童解消には、計画通り予算が計上されたとしても向こう3年間はかかります。

さらに、横浜市の例にみられるように、新制度の開始で、これまで保育所入所申込みをあきらめていた家庭の「潜在的な待機児童」が表面化することが予想され、真の待機児童解消にはまだ遠い道のりがつづくと考えられます。

 

  だから映画はおもしろい vol.11

   『兵隊やくざ』 (1965年、日本)

 

●戦後70周年の今年の映画紹介は、娯楽映画「兵隊やくざ」(増村保造監督)から始めます。

主役・勝新太郎の「悪名」「座頭市」と並ぶ人気シリーズの第1作です。

●満州に駐屯する関東軍に入隊した新兵・大宮(勝)はやくざの用心棒あがりの問題児でした。理不尽な暴力を振るう二年兵の黒金伍長に立ち向かいますが、多勢で痛めつけられます。

そこへ、大宮の指導係の三年兵・有田(田村高廣)が現れ、形勢は逆転し、黒金は大宮に散々な目に遭わされます。軍隊では階級よりも年数が優先されたことを示す場面です。

事件は歩兵隊と砲兵隊の大喧嘩へと発展し、大宮は外出禁止の罰を受けるも、兵舎を脱出して将校専用の芸者屋に乗り込み、芸者の音丸(淡路恵子)と遊びます。有田はここでも、大宮をかばいます。

映画のラストでは、大宮が有田への恩返しだと、機関車を切り離すという奇想天外な作戦に出て、前線に転進する部隊から共に逃れます。

●大宮は「俺は警察と軍隊はきらいなんだ」が口癖でした。有田も軍隊に嫌気がさして、幹部候補試験をわざと落第し、満期除隊を願っていました。二人が意気投合したのは自然です。

大宮は組織や規律とは無縁な男でした。しかし、大宮の言動の方に道理があり、軍隊の「規律」の方が異常に感じられます。その異常な「規律」をぶち壊す痛快さこそが本作の魅力であり、角度を変えた反戦映画となっています。

●なお、将校専用の芸者屋の存在は「慰安婦」問題と矛盾するものではなく、音丸が「兵隊さんも私たちも同じ身の上」と語るように、戦争の犠牲者であることに変わりはありません。

 

   編集後記

▼新事務所付近のビル、工場、店舗へ、「引っ越してきました」と挨拶回りを続けています。ビルのテナントをはじめ、移り変わりが激しいと気付かされます。

▼数年前から愛用している湯たんぽのカバーは、今年の干支の「羊」。安眠の象徴です。湯たんぽのない厳寒期は想像もできません。