かわちのタイムスNo.8 (20140401) ← クリックすると画像が見られます

 

【1面】

     消費税増税

     「社会保障のため」???

4月1日といえば、「消費税増税」。今回も「社会保障の

ため」を合言葉に、セットで法改正が施行されますが…

消費税率アップを前提に成立し、施行される主な法律のうち、「子ども・子育て支援法」は来年4月施行予定です。〔裏面の「子ども・子育て支援新制度」参照〕

もう一つは、「年金機能強化法」です。今年4月から「父子家庭にも遺族基礎年金支給」「産休期間中の厚生年金保険料免除」などの改正が施行されます。

さらに、消費税10%引き上げが予定される来年10月1日から、「年金受給資格期間を25年から10年に短縮」します。

これまで年金受給を諦めていた人には朗報で、無年金者を減らすことができます。

ただし、老齢基礎年金は10年掛けただけでは、満額の4分の1しか受給できません。

◆年金支給額は目減りする

年金生活者にとっては、支給額が昨年10月分からの1%減額につづき、今年4月分から0・7%減額されるのが痛手です。さらに、来年度は0・5%削減に加えて、「マクロ経済スライド」(年金削減システム)を初めて発動します。

◆増税は社会保障に回るか?

消費税増税分5兆円のうち、大半は「年金国庫負担分2分の1の恒久化」と「既存の社会保障の安定財源確保」に充てられます。これはすでに実施している分の財源を消費税に置き換えただけです。新たに社会保障に回るとされているのは増税分のおよそ1割というのが実態です。

〈消費税年表〉

1989.4.1   消費税3%導入、免税点3千万円

1997.4.1  税率5%にアップ

2004.4.1  免税点1千万円に

2014.4.1  税率8%にアップ

2015.10.1? 税率10%にアップ(経済状況次第?)

 

これなら使える 雇用保険助成金 ③

            中小企業労働環境向上助成金

《雇用管理制度助成》 

対象事業主

健康・環境・農林漁業分野等の事業を営む事業主であり、雇用管理制度の導入を労働協約または就業規則に新たに定め、1人以上の正社員に適用させること。

 対象となる雇用管理制度・支給額

イ.評価・処遇制度 : 40万円

ロ.研修体系制度  : 30万円

ハ.健康づくり制度 : 30万円

(介護サービス事業所のみ)

《介護福祉機器等助成》

対象となる介護福祉機器

介護労働者の身体的負担軽減に役立てることができ、1品10万円以上のもの。

①移動用リフト ②自動車用車いすリフト ③座面昇降機能付車いす ④特殊浴槽

⑤ストレッチャー ⑥自動排泄処理機 ⑦昇降装置(人の移動用) ⑧車いす体重計

 支給対象となる費用

介護福祉機器の費用+保守契約費+研修費(機器の使用、身体的負担軽減の介護技術)

  の  合計額の1/2(上限300万円)

    計画書・支給申請書の作成・提出は社労士が代行します。就業規則もお任せを!

 

【2面】

         パート2

   「子ども・子育て支援新制度」で

    どうなる? 『ベビーシッター』

インターネットの紹介サイトでベビーシッターに預けた2歳の男児が死亡するという悲しい事件が起こりました。

「なぜ見ず知らずの相手に子どもを預けたのか」という声も聞かれますが、何のルールもなく仲介業者を放置してきた国や自治体の責任こそ問われるべきでしょう。

「子ども・子育て新制度」(来年4月スタート)によると、ベビーシッターは「居宅訪問型保育事業」として一定の基準を満たせば国の補助が受けられます。

子どもの居宅(家庭)で保育するという内容は、今回の事件とは異なります。

しかし、新制度でも「居宅訪問型保育事業」の「保育従事者」は保育士資格がなくても研修を修了すればよいとされており、不安は残されます。

また、国の補助の対象にならない無届け営業をチェックする方策はありません。

問題の根本は、「保育園に入れない」「夜間でも預けられる保育園がない」ことにあります。実際に、東大阪市が把握している届出施設で24時間保育を実施しているのは4つの認可外保育施設だけです。

国や自治体は、幼保連携型認定子ども園など新制度をすすめることに熱心になる一方で、認可保育所をつくることには消極的です。東大阪市も平成26年度は国の「安心子ども基金」を利用する保育所建設をストップします。

少子化対策をいうのであれば、子育てが〝個人責任〟とされ、子どもが犠牲になることは防がなければなりません。

         だから映画はおもしろい vol.7 

         大阪アジアン映画祭 

        『2014 (2014年、インドネシア)

●大阪で毎年開催される二つの国際映画祭、

春の「大阪アジアン映画祭」と秋の「大阪ヨーロッパ映画祭」を毎年楽しみにしています。

3月のアジアン映画祭で、コンペティション部門の4作品を観賞しました。世界初上映となるインドネシアの『2014』を紹介します。

●インドネシアはイスラム教国家最大の2億人を超える人口を擁していますが、1949年にオランダから独立した、まだ歴史の浅い国です。『2014』はまさに今年7月の大統領選挙に合わせてつくられました。

野党の大統領候補が、何者かの謀略によって殺人の罪に問われ、投獄されてしまいます。高校生の息子は父に反抗していますが、父の無実を信じ、弁護士を探し、調査に乗り出します。

女性刑事のカンフー・アクションなど、サスペンス映画の様相を見せながらも、強大な権力を握る政治家をも意のままに操ろうとする巨大な闇の存在を描き、インドネシア社会のタブーに挑もうとする作品です。

●上映後のインタビューで、ハヌン・ブラマンチョ監督は「国内での上映許可がおりず、大統領選後になるかもしれません。それでも、映画を観た人々がインドネシアの政治変革に関心を持ってくれたらと思います」と語りました。

そのとき、山本薩夫監督の『不毛地帯』がクランク・インした直後に、アメリカ上院でロッキード事件が発覚した(1976年2月)という逸話を思い出しました。

かつての日本映画がそうだったように、映画は政治風刺にとどまらず、政治変革につながる力を持つことをアジアの若手監督、プロデューサーが示そうとしているのです。

           編集後記

▼ソチ・オリンピックのスノーボード、スキーのハーフパイプ(HP)で日本選手がメダルを獲得。HPのコースは重機で雪を掘削、整地して造成します。▼2月の記録的な大雪では、除雪車などの重機の備えのない地域の復旧が大きく遅れました。建設業者の存在の大きさを実感した冬でした。