かわちのタイムスNo.5(20131001) ← クリックすると画像が見られます。

 

【1面】

  どうなる?どうする?介護業界

    「お役に立つ」社労士になりたい

 かわちの社労士は、これまでも、介護保険・介護事業に強い関心を持ってきました。

当事務所を開業して半年。そろそろ介護事業経営者様のパートナーとしての仕事がしたいと考え、お盆明けから次の様な行動を開始しています。

◆介護事業所DM・訪問

「介護事業チラシ」を作成し、東大阪市内の介護事業所360件にDM発送。DM先に電話をかけ、対話できそうな事業所から訪問を開始しました。

その後、開設1年半以内の事業所がDM先から漏れていたことが判明し、集中的に訪問しました。

この結果、9月中に約50事業所を訪問し、対話をおこないました。

◆事業経営者様の切実な声

東大阪市の介護事業所数は、おそらくコンビニの2倍を上回り、開・廃業のテンポも速いと感じました。

経営者様は、ご利用者の確保、職員の採用・定着、法改正への対応など、共通した悩みを抱えていると思いました。

「ご近所のヘルパーさんに来てもらっていたが、まとめて3人辞められてコマッタ」「処遇改善加算を受けようと思うが、『給与が増えると夫の扶養からはずれてしまう』と職員から拒否される」などの声が出されました。

ケア・マネージャー様からは、「そもそも、儲かる仕事だとは思っていない」と、介護報酬への不満が語られました。

また、「介護キャリア段位制度」については、まったく知られていませんでした。

今後も訪問・対話をつづける中で、介護現場の声を聴き、社労士として情報を発信していきたいと思います。

 

   これなら使える 雇用保険助成金 ①

       キャリアアップ助成金 《人材育成コース》

助成内容

パートタイマーなどの有期契約労働者を対象に、①Off-JT(座学)または②Off-JTとOJT(社内での訓練)を組み合わせた 3~6ヵ月の有期実習型訓練を行ったとき。

助成額      中小企業(大企業)

Off-JT 賃金助成 800円(500円)/時間

    経費助成 20(15)万円上限

OJT  実施助成 700円(700円)/時間

ポイント

・就業規則の提出は不要です。

・有期実習型訓練の場合、OJT(社内での訓練)が総訓練時間の9割まで可能。

・Off-JT(座学)は公的機関の職業訓練に限らず、社外講師も利用できる。例えば社労士による「社会保険の基礎」の講義でもよい。

キャリアアップ計画・職業訓練計画・支給申請書の作成・提出は社労士が代行します。座学の講師も引き受けます。

 

     本 棚

写真アルバム 「東大阪市の昭和」 (樹林舎)

◇携帯電話・コンビニも、消費税・原発もなかったあの頃。人情・ぬくもり・賑わいがあったなあ。

 

「あまから手帖」(10月号)

近鉄奈良線 わざわざ行きたい美味発掘 (クリエテ関西)

◇瓢箪山・河内小阪・八戸ノ里・布施… 洒落てるようでも、どこをとっても庶民のお店やおまへんか。

 

【2面】

  まだ終わってへんで!

  消えた年金問題

 ホームページからの問い合せで、老齢年金受給についての相談を受けました。

相談者は65歳になっても年金支給の通知が届かないことに気付き、年金事務所に問い合せたところ、「掛けた年数が25年に達していない」という回答でした。

ある業界を渡り歩いていたうち、複数の会社の記録が含まれていなかったのです。

相談者は、年金記録確認第三者委員会に申立てを行いましたが、あっせんを得ることができませんでした。

年金記録確認第三者委員会は、「消えた年金問題」解決のため、2007年に総務省に設置されました。

同じ時期に国会で「年金時効特例法」「厚生年金特例法」が成立。会社が従業員の保険料を源泉徴収しながら、納入していなかったことが明らかであるときは、厚生年金に加入していたことを認め、時効にはしないことになりました。

第三者委員会は2009年までの2年間に約7万件の申立てを調査審議。かなりのスピードで多くの年金記録の訂正を認めています。

しかし、今回の相談の申立てについては、相談者が提出した資料があるにもかかわらず、「物証が不十分」という理由で訂正を認めていません。

申立てが一段落し、社会保険庁が解体されて、日本年金機構が発足した頃から「慎重審議」になってきているというのは考えすぎでしょうか。

相談者はあきらめることなく、第三者委員会への再度の申立て、もしくは日本年金機構への審査請求の道を探しています。社労士としても出来るかぎりのことをやっていきたいと考えています。

 

    だから映画はおもしろい vol.5

      木下惠介監督生誕100年

   『花咲く港』 (1943年)

   『はじまりのみち』 (2013年)

 ●木下惠介監督(当時30歳)のデビュー作が『花咲く港』です。

二人のペテン師(小沢栄太郎、上原謙)が、村人たちを騙して集めた寄付で船を建造しているうち、米英開戦を迎えます。村人たちの善意にふれた二人は、悪事の罪深さに恐れおののき、村を逃げ出そうとしますが、嵐に阻まれます。二人が改心していくさまを戦時とは思えない明るい調子で描いています。

●木下惠介監督(1912-1998)の生誕100年を記念して、『クレヨンしんちゃん』などのアニメーションを手掛けてきた原恵一監督が『はじまりのみち』をつくりました。

木下監督は軍の要請を受けて『陸軍』を製作しますが、母(田中絹代)が出征する息子を追いかけるラストシーンが「女々しい」と批判され、映画監督を辞めてしまいます。

本作は、木下が病気の母を疎開させるためにリヤカーに乗せて山越えしたという実話を中心に、母(田中裕子)と子(加瀬亮)の情愛を描いています。母の励ましもあって、監督に復帰した木下は、国民的傑作『二十四の瞳』(高峰秀子主演)など数々の名作を世に送り出し、日本映画の黄金期を築きます。  

それらの名作(『カルメン故郷に帰る』『野菊の如き君なりき』『喜びも悲しみも幾年月』『永遠の人』…)も紹介される本作は、木下作品のガイド・ブックともいえるでしょう。

◎ついでに、最近生誕100年を迎えた日本映画の名監督たちを並べて紹介しましょう。

山中貞雄(1909-1938)、黒澤明(1910-1998)

山本薩夫(1910-1983)、今井正(1910-1991)

新藤兼人(1912-2012)。名匠たちに合掌。

 

    編集後記

▼漫画「はだしのゲン」が予期せぬブームに。大阪での文楽人気と同様に、行政による規制(切捨て)への反発が、「後世に残すべきもの」に気付かせてくれたようです。

▼「そのうち日本でもコーヒーが栽培されるかもしれない」と喫茶店のマスターの弁。ホームページにも書きましたが、「ゲリラ豪雨」に悩まされた今年の夏でした。